
- シャドーイングで音源のスピードに口が回らず追いつけない
- 音源を後追いするのに精一杯で話している内容を意識する余裕がない
- とにかくシャドーイングを続けているが英語力がなかなか上達しない
80点英語ブログ運営者のゆうです。
シャドーイングは有名なリスニング学習方法の一つで、正しいやり方で取り組めば高い学習効果を見込めます。しかし、シャドーイングは相応に難易度の高い学習方法のため、上手くできないまま学習効果を実感できず悩んでいる人も少なくありません。
そこで本記事では、シャドーイングが上手くできない原因とその対処法、これからシャドーイングを始める人が気を付けておくべきポイントを解説します。
シャドーイングとは?
シャドーイングとは、英語を聞きながら影(shadow)のように追いかけて声に出して読むリスニング学習法です。英語音声から英文構造と音のリズムを理解して復唱しつつ、頭の中では自分が発声している英語の意味を文頭から追っていくことで、リスニング力の向上に必要不可欠な「英語の音を理解するスキル」と「英語の意味を理解するスキル」を効果的に高めることができます。
私自身がシャドーイングの正しいやり方に出会ったおかげで、学生時代500点台で低迷していたTOEICスコアが860点を超えるなど英語力が劇的に向上した実績があり、本当におすすめの学習法です。
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シャドーイングができない3つの原因と対処法

難しすぎる教材を選んでいる
シャドーイングができないと悩んでいる人の大半が教材選びの段階で失敗しています。自分のリスニング力に比べて難易度の高すぎる教材を選んでしまうと、当然に音源の英語を追いかけて発声することができません。
多くの人が身の丈に合っていない教材を選んでしまう原因は、「音源スクリプトを読めばなんとか内容を理解できる=音源を聞けばなんとか内容を理解できる」という勘違い。当然ですが、文章から内容を読み取るスキルと音源から内容を聞き取るスキルは全く異なります。
実践的な聞き取りスキルは英語の音を理解できるスキルと英語の意味を文頭から返し読みをせずに理解できるスキルで構成されますが、教材の難易度を上げれば両スキルを習得できるわけではありません。むしろリスニング上達に関係ないことに余計な負荷をかけてしまう分、学習効率の観点では逆効果と言えるでしょう。
不必要な学習負荷を極力減らしてリスニング強化に専念できるよう、リスニング教材の難易度は読めば簡単に理解できるレベルまで引き下げることをおすすめします。
英語の音のルールを理解していない
英語スピーカーが英文を読み上げる際、音と音をつなげて発音する「リエゾン」、英単語のスペル通り発音せずに音を脱落させる「リダクション」など、英語特有の音のルールに従って発話しています。
I want to play tennis. → アイワナプレイテニス
I can’t play tennis. → アイキャンッ(ト)プレイテニス
英語の音のルールを知らないと、音源スクリプトの内容と音源を耳で聞きとった内容が全くの別物に感じたり、英文をスペル通りカタカナ読みしようとして音源スピードに追いつけなくなり、結果シャドーイングができない状態に陥ってしまいます。
本格的なシャドーイングに取り組む前に、教材音源を繰り返し聞いてスクリプトと実際の英語の音との違いを把握しておきましょう。
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英語の意味を文頭から理解できていない
シャドーイングでは、音源を後追いして口を動かし発声しつつ、自分が話している内容を常に頭の中で意識することで、音源から聞き取った内容をそのまま理解するスキルを鍛えていきます。
聞き取った英語内容を頭の中で返り読みしながら理解していては到底間に合わないため、文頭から通して内容を理解していく必要がありますが、現状リスニングができない人にとっては至難の業です。
自力でできないなら入念な事前準備準備で補完すれば良いだけ。シャドーイングに取り組む前に、まずは音源スクリプトを読み込んで話全体の内容と英文構造を把握しておきましょう。事前に英文構造と内容を正確に把握した上でシャドーイングに臨むことで、リスニング初心者でも擬似的に文頭から内容を理解していく感覚を掴めます。
この作業を繰り返すことで、事前準備なしの初見の英語素材でも文頭から通し読みで内容を理解できるようになります。
>>英語が聞き取れない原因と原因別のおすすめ対処法の詳細はこちら
初心者がシャドーイングで心がける3つのポイント

スキマ時間を活用してコツコツ取り組む
英語学習で一番重要なのは学習の継続です。週末だけ10時間勉強するよりも、1日30分でも毎日コツコツ勉強を続ける方が学習効率が圧倒的に高まります。しかし、毎日仕事で忙しい社会人にとって、たとえ30分でも毎日まとまった勉強時間を確保するのは容易ではないでしょう。
シャドーイングは、音源をスマートフォンにダウンロードしておけば時間や場所を選ばずに取り組むことが可能です。朝晩の通勤・通学時間や昼休憩時間などスキマ時間をうまく活用して、毎日シャドーイングを継続することを心がけてください。
シャドーイング中にスクリプトを見ない
シャドーイングに取り組む際には、基本的に英文スクリプトは読まないでください。
特に英語初心者が英文を読んでしまうと、どうしても英語のスペルから日本人特有のカタカナ英語の発音イメージが頭に浮かんでしまい、間違った英語の音の感覚に引きずられるリスクがあります。
江戸時代に渡米した男性が「What time is it now?」を「掘った芋いじるな」と聞きとった有名な話があります。これは少し大袈裟な例ですが、英文スペル通りにカタカナ英語の発音で「ワット・タイム・イズ・イット・ナウ?」と読んでしまうと、ネイティブが話すスピードに口の動きが追いつかず、いつまで経っても英語の音を理解できるようにもなりません。
難しいことは考えないで、自分の耳で聞きとった英語の音のリズムと発音を忠実に再現することに意識を集中させてシャドーイングを継続してみましょう。自然と英語の音のルールが身体に染み込んでいくはずです。
感情を込めてシャドーイングする
シャドーイングをする際、無機質に淡々と音源を後追いして音読するのではなく、実際に自分が相手に向かって話しているイメージを強く持ちつつ感情を込めて音読をしてみましょう。
単なる作業として後追いで音読するのに比べて、自分が相手に伝えたいメッセージを意識しながら音読することで、自分の口から発している英語の音と意味を頭の中で強く結びつけることができます。
この意識を忘れずにシャドーイングを継続することで、自然と話している内容がイメージとして思い浮かぶ感覚が身に付きます。これが英語を英語で理解している理想的な状態への第一歩です。
また、感情を込めて音読することで自分が発声する英語に自然と強弱や抑揚がついてきます。英語は日本語に比べて、しっかりと強弱や抑揚をつけて話す言語です。教材音源から流れてくる英語の音を忠実に再現するためにも、恥ずかしがらずに感情を込めて音読する習慣をつけてください。
まとめ
本記事では、多くの英語学習者が抱えているシャドーイングができない悩みに関して、3つの原因とそれぞれの対処法を紹介しました。
シャドーイングは、単に英語を聞いて復唱するだけの簡単なリスニング学習方法ではありません。しっかりと事前準備をした上で何十回と失敗しながら取り組むことで、正しいシャドーイングができるようになります。さらに正しいシャドーイングを数ヶ月間継続して初めて、リスニング力の向上を実感できるのです。
決して簡単な道のりではないですが、確実に実践的な英語力を習得できるのがシャドーイングです。本気で英語を学びたい人は、本記事で紹介した学習のコツを参考にして、シャドーイング学習に挑戦してみてください。
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