ビジネス英会話に必要な英文法はコレだけ!社会人が学びなおすべき文法知識を元駐在員が徹底解説

以下該当する人におすすめ記事です
  • ビジネス英会話に必要な英文法範囲を知りたい
  • 英文法学習が苦手でなるべく効率的に済ませたい
  • 英文法の覚えなおしで何から着手すればよいか分からない

80点英語ブログ運営者のゆうです。

ビジネス英会話を習得するためにまずは英文法を学び直すのは正しい学習手順ですが、分厚い英文法書を端から端まで完璧に覚えようとするのは、全ての英語学習者にオススメのやり方ではありません。

その理由は、基本的な英語コミュニケーションの大半は基礎レベルの英文法表現で構成されているため。例えば「書き言葉」で重宝される分詞構文は英会話で登場する機会はほぼありません。仮定法や関係詞なども会話で表現の幅を広げてくれる非常に便利なツールですが、これら中上級レベルの文法知識が無くても会話は十分成立します。

勿論、英文法を網羅的に覚えている状態の方が望ましいのは事実です。しかし、英文法の理解や単語暗記などインプット中心の学習スタイルだといつまで経っても英語を話せるようにはなりません

最短距離で実践的な英会話力を身につけたい社会人は、まずは本記事で紹介するビジネス英会話に必要な英文法知識を効率的に身に付けてみましょう。

ビジネス英会話に必要な学びなおすべき英文法5選

文型

英文法の学び直しで真っ先に取り組むべき範囲が文型です

英語には日本語の「てにをは」のような単語と単語を繋ぐ助詞が存在せず、語順で単語の役割を判断しています。そのため色々と語順を変えてしまうと、日本語ではいずれも意味が通じる一方、英語では意味が通じません(orなんとか意味は理解できてもかなり不自然)。

日本文英文
彼は 本を 私に くれた。 []He a book me gave. [×]
私に 彼は 本を くれた。 []Me he a book gave. [×]
私に 彼は くれた 本を。 []Me he gave a book. [×]
彼は くれた 私に 本を。 []He gave me a book. []

裏を返すと、英語は語順ルールさえ把握できれば語順に沿って単語を当てはめるだけで文章が完成します。そして英語の語順ルールはたった5種類の文型に集約されているのです。

英語の語順ルール(英語の5文型)
  1. SV型:主語(名詞)+ 動詞
  2. SVC型:主語(名詞)+ 動詞 + 補語(名詞 or 形容詞)
  3. SVO型:主語(名詞)+ 動詞 + 目的語(名詞)
  4. SVOO型:主語(名詞)+ 動詞 + 目的語(名詞)+ 目的語(名詞)
  5. SVOC型:主語(名詞)+ 動詞 + 目的語(名詞)+ 補語(名詞 or 形容詞)

英語学習者の多くが5文型の存在は知っているものの、本当の意味で使いこなせている人は少ない印象です。仮定法や関係副詞など難しい英文法表現を用いている高度な英文も、これら5文型を土台にした基礎英文にさまざまな装飾を施しているに過ぎません。

まずは、5文型に英単語を1つずつ埋め込んだシンプルな英文を高速で作成&発話できる状態を目指してください。難易度の高い英文法知識の習得は、上記のスピーキング基礎力が身についた上で更に表現の幅を広げるフェーズで十分です。

動詞の活用

名詞や形容詞など品詞の理解は英語学習に必要不可欠ですが、特に重要なのが動詞の活用です

動詞は英文の内容や時点によって形や位置が変わります。いろいろな活用パターンを覚える負荷はありますが、これから紹介する基本パターンさえ習得できれば、1つの動詞を覚えるだけで幅広い会話表現を使いこなせるようになります。

まず、話の内容に応じた動詞の活用パターンは以下3通りです。

話の内容例文動詞の変化
動詞と同じ内容
(肯定文)
He is my manager.
You take a leave.
変化なし。そのまま使用可。
動詞と同じか確認
(疑問文)
Is he my manager?
Do you take a leave?
be動詞:文頭に移動
一般動詞:Do/Doesを文頭に置く
動詞と反対の内容
(否定文)
He is not my manager.
You do not take a leave.
動詞の直後にnotを置く

次に、話の時点に応じた基本的な動詞の活用パターンは以下3通りです。

話の時点例文動詞の変化
不変の事実
(現在形)
He is my manager.
You take a leave.
変化なし。そのまま使用可。
過去の事実
(過去形)
He was my manager.
You took a leave.
動詞が過去形に変化
未来の予測
(未来形)
He is going to be my manager.
You are going to take a leave.
動詞の直前にbe going toを置く

話の時点に応じた動詞の活用パターンには完了形も存在します。マスターできれば非常に使い勝手の良い便利な文法表現ですが、やや複雑な内容のため習得に相応の時間がかかってしまいます。

勿論、余力のある人は完了形も併せて覚えてほしいですが、英語初学者が英会話力の向上に重点をおきたい場合、まずは基本型3パターン(現在・過去・未来)を会話で自由に使いこなせる状態を目指しましょう。

助動詞

助動詞は英文のニュアンスを変えてくれる非常に便利なツールです

ビジネス現場では、取引先や職場の関係者に対して適切な敬意を払ったり、自分の意図を正しく伝えて認識相違を回避したりと微妙なニュアンスの使い分けが非常に重要になってきます。そしてシチュエーションに応じて動詞の意味合いを柔軟に変化させる手助けをしてくれるのが助動詞なのです。

助動詞の大原則は「助動詞は動詞の直前に置き、動詞は原形にする」です。疑問文や否定文でも同じ原則に従いつつ、以下のように取り扱います。

話の内容例文文法ルール
動詞と同じ内容
(肯定文)
He can speak English.助動詞+動詞の原形
動詞と同じか確認
(疑問文)
Can he speak English?助動詞+主語+動詞の原形
動詞と反対の内容
(否定文)
He can not speak English.助動詞+not+動詞の原形

助動詞にはさまざまありますが、まずはビジネス現場でも頻出の「能力のcan」「意志のwill」「可能性のmay」「必要性のshould」の4つを優先して覚えましょう。

上記の他にビジネスで重宝するのが「could」と「would」です。学校の授業で「couldはcan、wouldはwillの過去形」と学習した人も多いでしょうが、これらは単に過去の話をするときだけ登場する助動詞ではありません。

過去とは現在から離れたイメージとして表現できます。この離れたイメージが相手との距離感canやwill本来の意味との距離感を作り出し、前者は丁寧なニュアンス、後者は可能性が低いニュアンスに繋がるのです。

ニュアンス例文日本語訳
丁寧さCan you arrange a meeting?
Could you arrange a meeting?
会議の準備をできますか
会議の準備をしていただけますか
可能性の低さI can finalize the contract.
I could finalize the contract.
その契約をまとめられます
その契約をまとめられるでしょう

ビジネス現場では、相手に敬意を払って丁寧に接したり、誤解を招かないよう断定的な発言を控える局面が数多く登場します。余力のある人は、4つの基礎助動詞に加えてcouldとwouldのイメージも掴んでおくと良いでしょう

不定詞(+動名詞)

先に紹介した5つ文型に名詞や動詞、形容詞、副詞などの一般品詞を組み込むだけで英文として十分成立しますが、不定詞を活用することでより詳細なメッセージを届けることができるようになります

不定詞は「to + 動詞の原形」の形で、文脈に応じて名詞・形容詞・副詞の3つの役割を果たします。通常これら3つの品詞は、例えば「colleague=同僚(名詞)」「busy=忙しい(形容詞)」「significantly=大いに(副詞)」など1つの簡潔な意味しか持たない単語単位で表されるため、どうしても伝えられる情報量が限られてしまいます。

一方、不定詞を用いることで以下のようにフレーズ単位で意味を形成できるため、より具体的な意思疎通を図れるようになるのです。

役割例文日本語訳
主語
(名詞的用法)
To study English every day is important.毎日英語を勉強することは重要です。
名詞を修飾
(形容詞的用法)
Do you have anything to check before leaving the office?退社する前に確認するモノはありますか?
文全体を修飾
(副詞的用法)
I am glad to hear that you completed the project.あなたがその案件を完遂したと聞いて私は嬉しいです。

学校などの英語試験では不定詞が持つ3つの用法について細かい用語名や具体的な使い分けを問われますが、ビジネス英会話のための文法学習という観点では不定詞は詳細かつ具体的な情報を伝えるための便利なツールと認識できればOKです。

なお、不定詞の名詞的用法と似たような役割を果たす文法表現として動名詞があります。動詞によっては動名詞と不定詞の名詞的用法のどちらか一方しか使えないケースもありますが、一度に全てのパターンを丸暗記する必要はありません。学習を進めていく中で少しずつ覚えていきましょう。

比較表現

ビジネス会話では自社の過去業績や他社サービスなど、さまざまな対象と比較をすることが多いため、比較表現の基本パターンを覚えておくと何かと便利です

パターン基本形式例文
原級as 原級 asProduct A is as expensive as Product B.
比較級原級+er
more/less 原級
Company A’s product prices are lower than ours.
You should be more careful.
最上級the 原級+est
the most/least 原級
We achieved the highest revenue in the past three years.
The most important point is to keep challenging.

比較表現の中には、上記の他に「good – better -best」のような不規則に変化する単語も存在します。あまり数も多くない割に活用頻度が高いので、これらは一気に暗記しましょう。

原級比較級最上級意味
goodbetterbest良い
wellbetterbest上手に
badworseworst悪い
manymoremost数が多い
muchmoremost量が多い

優先すべき英文法範囲を把握できたら以下記事を参考にして、自分に合った参考書を使って正しい学習法で取り組んでください。

>>社会人におすすめの英文法学習法はこちら

>>社会人向けのおすすめ英文法参考書はこちら

必要な英文法を学びなおしたらアウトプット学習に専念しよう

ビジネス英会話をマスターする上で英文法や英単語に関する知識のインプットは欠かせません。しかし、土台知識のインプットばかりに時間と労力を費やしてしまうと、残念ながらいつまで経っても英語を話せるようにはならないのも事実です。

要はインプット学習とアウトプット学習のバランスが大切ということ。大半の日本人はインプット学習に偏りがちのため、本記事で紹介した英文法知識を一通り覚えたところでリスニング・スピーキング別のアウトプット学習に専念することをおすすめします

>>リスニングのおすすめアプトプット学習法「シャドーイング」の正しいやり方はこちら

>>スピーキングのおすすめアウトプット学習法「瞬間英作文」の正しいやり方はこちら

>>実践的なアウトプット環境「オンライン英会話」の失敗しないスクール選びのコツはこちら

まとめ

本記事では、ビジネス英会話を効率的に習得するために優先すべき5つの英文法知識を紹介しました。

第二言語習得において良質なインプットは必要不可欠ですが、多くの日本人学習者はインプット学習に偏りがちな傾向があるのも事実です。最短距離で実践で使える英語を身に付けるために、常に優先順位を明確にして英語学習に取り組んでください。

>>仕事で使える実践的な英語力を体系的に習得できる学習ロードマップはこちら

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