
- 自宅で手軽に始められるスピーキング学習方法を知りたい
- 単語や文法の基礎知識を習得したのに英語を話せるようにならない
80点英語ブログ運営者のゆうです。
義務教育から英語学習に取り組んでいる日本人の英語知識量は、他の非英語圏の人たちに引けを取りません。それなのに英語を話せる人口が非常に少ないのは、インプット学習に比べてアウトプット学習が圧倒的に足りていないことが原因です。
本記事では、スピーキング基礎力を効果的に鍛えられる瞬間英作文トレーニングの正しいやり方について解説していきます。私も瞬間英作文のおかげで海外赴任中に現地社員と英語でコミュニケーションを取れた経験があり、自信を持っておすすめできるアウトプット学習方法なので、ぜひ参考にしてください。
瞬間英作文とは

瞬間英作文は、日本文の内容を素早く英訳して発話するスピーキング学習方法です。瞬間英作文トレーニングを繰り返すことで英語変換に要する時間が短縮されて、英語が自然と口から出てくる状態になります。
腕試しとして、以下3つの日本文を右の英訳文を見ないで自力で英訳して発話してみてください。
- 彼女は私に夕飯を作ってくれた。→ She made dinner for me.
- 私の息子は明日図書館に友達と一緒に行く予定です。→ My son is going to go to a library with his friend tomorrow.
- 私は彼にその人気な漫画本を買ってくるように頼んだ。→ I asked him to buy the popular comic book.
どれも簡単な内容で中学レベルの英単語・英文法しか使っていませんが、意外とスムーズに口を動かせた人は少なかったのではないでしょうか。
例えば、平泳ぎのフォームを習ってもすぐに泳げるようになる訳ではありません。正しいフォームで何度も練習を重ねて初めて泳げるようになります。英語学習でも瞬間英作文トレーニングを繰り返すことで、英語知識を「知っているだけ」から「使いこなせる」ようになるのです。
ネット検索をすると瞬間英作文に対してネガティブなコメントをしている人をよく見かけますが、瞬間英作文トレーニングのやり方や学習目的を勘違いしているケースが大半なので、皆さんも同じような勘違いをしてないか注意してください。
瞬間英作文の正しいやり方を5つのステップで解説

ステップ1|まずは力試し
本格的な学習を始める前に、実力試しで教材の日本文を自力で英訳して発話してください。自分が苦手な英語表現を事前に把握しておくことで、以降の学習効率を上げることができます。
日本文:私の息子は明日彼の友達と図書館に行く予定です。
これまで英語学習を頑張って続けてきた人ほど、思うように英語を話せないことに不安や苛立ちを感じてしまうかもしれませんが、今はできなくて当たり前という気持ちで取り組んでください。瞬間英作文トレーニングを継続すれば必ず英語を話せるようになります。
ステップ2|英文の文構造を把握する
力試しが終わったら、正解の英訳文を読み込んで構文パターンや文法表現などの英文構造を把握していきます。例えば、以下の英文からは次のような文構造の情報を取得できます。
日本文:私の息子は明日彼の友達と図書館に行く予定です。
英訳文:My son is going to go to a library with his friend tomorrow.
- SV文型:主語+自動詞で意味が成立している文型
- be going to 動詞:「〜する予定です」未来の話をするときに使える表現
- go to 場所:「[場所]に行きます」特定の場所を訪れるときに使える表現
- with 人:「[人]と一緒に」他の人と行動をともにするときに使える表現
一つひとつの英語表現を意識しつつ音読を繰り返すことで、それらの英語表現を実際の会話でも自由に使いこなせるようになります。
例えば「be going to 〜」という未来に関する英語表現を1つ使いこなせるようになったら、以下のように様々な会話シーンで未来の話ができるようになります。
- 私は明日英語を勉強する予定です。→ I am going to study English tomorrow.
- 彼は今週末に友達と千葉でゴルフをする予定です。→ He is going to play golf with his friends in Chiba this weekend.
- 私たちは来月シンガポールに出張する予定です。→ We are going to have a business trip to Singapore next Month.
ステップ3|英文を見ながら音読する
英文構造を正しく把握したら繰り返し音読してみましょう。最低でも3〜5回は続けてください。
先ほども伝えましたが、何も考えず機械的に音読しないよう注意してください。ステップ3の音読の目的はステップ2で理解した英語表現を実践で使いこなせるようにすることです。常に文頭から文構造と意味を頭の中で掴みながら音読をしてください。
- My son is going to /
- 「be going to」だから未来の話だな。いつの話だろう。
- go to /
- 動詞が「go」だからSV文型だな。「go to」の後ろには行き先の情報が出てくるぞ。
- a library with /
- 「go to a library」の直後に「with」が続いているから誰かと一緒に行く予定なのか。
- his friend tomorrow.
- 「tomorrow」が登場したから明日の未来の話だったのか。
慣れないうちは意識的に文構造を把握しながら音読する負荷が大きく苦労すると思います。しかし音読を繰り返していくうちに作業負荷が軽減されて、最終的には意識しなくても文頭から文構造と意味を追えるようになります。
ステップ4|日本文を見ながら英語で音読する
音読を通じて英文構造を頭になじませたら日本文を目で追いながら英語で音読します。正しい英訳文を文構造まで正確に理解した上で音読するため、ステップ1の力試しほど負荷はかからないはずです。
ここでも英訳文を丸暗記して棒読みしてしまわないよう注意が必要です。読み取った日本文の意味と記憶している英単語・英文法表現を頭の中で紐つけて英作文する意識を持ってください。
- 私の息子は明日 /
- 主語は「My son」だな。明日の話だから動詞の前に未来表現の「be going to」を置かないと。
- 彼の友達と /
- 「his friend」と一緒に明日なにかをするのか。「〜と一緒に」は前置詞の「with」だな。
- 図書館に行く予定です。
- 「〜に行く」だから「go to 〜」が主動詞か。前後を未来表現の「be going to」と前置詞の「with」で繋げたら完成だ。
ステップ4の音読の目安は10回程度ですが、自分が納得するまで繰り返してもOKです。ただし、回数にこだわりすぎてしまうと挫折の原因になってしまうので無理は禁物です。
ステップ5|ステップ3〜4を繰り返す
より自然かつ流暢に記憶した英語表現を使いこなせるように、ステップ3・4の音読トレーニングをコツコツ継続しましょう。
余裕がある人は毎日取り組んでも構いませんが、学習効率を落とさずに無理なく継続できる目安として、「1日後→4日後→7日後→12日後→20日後→30日後」のペースで復習することをおすすめします。
瞬間英作文のトレーニング効果を上げる5つのコツ

自分の英語レベルに合った教材を選ぶ
瞬間英作文トレーニングでは、英訳文を読めば簡単に内容を理解できるレベルの教材を選んでください。基本的に瞬間英作文は、新しい単語や文法表現を覚えるインプット学習ではなく、既に覚えている英語知識を使いこなせるようにするアウトプット学習です。
英訳文を読んでサッと意味や文構造を理解できない教材に手を出してしまうと、事前のインプット学習に時間が割かれてしまい、肝心のスピーキング練習が疎かになってしまいます。
スピーキング基礎力が身についてきたら、英語表現の幅を広げる観点でレベルの高い教材に取り組む選択肢もありますが、瞬間英作文を始めたばかりの人は簡単な中学レベルの英語表現を採用している教材を選びましょう。
自然な英語表現にこだわらない
瞬間英作文の教材を選ぶ際、必ずしも自然なネイティブ表現にこだわる必要はありません。例えば、中学レベルの基礎表現と自然なネイティブ表現を用いてそれぞれ英訳すると以下のようになります。
私は友人とお酒を飲みます。
- 基礎表現:I drink alcohol with my friend.
- ネイティブ表現: I hang out with my friend.
ネイティブ表現では「友達と外に出かけてなんとなく遊ぶ」というニュアンスから「hang out」という動詞(句動詞)を用いていますが、基礎表現では「drink + 名詞(飲み物)」というお馴染みのフレーズを使っています。
基礎表現を覚えることで、「drink」に続く名詞を「orange juice」や「water」に入れ替えるだけ「何かを飲む」という行為について幅広い会話シーンへの応用が可能です。特にスピーキング学習を始めたばかりの人は、多少お堅い言い回しだとしても汎用性の高い中学レベルの英語表現を使いこなせることを優先しましょう。
一方で、スピーキング基礎力を習得済みの人であれば、ネイティブ表現を習得して自然かつ流暢な英語を話せることを学習目的にしてもよいでしょう。
>>純ジャパでもネイティブ英語を話せるようになる英借文トレーニングのやり方はこちら
同じ英語表現をまとめて学習する
同じ英語表現を使った英文を集中的に音読することで、使いこなせる英語表現のストックを効率的に増やせます。
例えば受動態という文法表現を習得しようと思った場合、以下のように受動態を扱っている文章を複数用意して、集中的に瞬間英作文トレーニングを行ってください。
- この本は彼に読まれた。 → This book was read by him.
- その机は木で作られています。 → The desk is made of wood.
- 私は父親に話しかけられました。 → I was spoken to my father.
必然的に受動文の音読回数が増えることに加えて、さまざまなシーンにおける受動態の活用例を網羅的に学習できるため、実践でも役立つ応用力を鍛えられるはずです。
日本文の内容を踏まえて英文を組み立てる(暗記はNG)
瞬間英作文トレーニングの正しいやり方でも紹介しましたが、英訳文を丸暗記して機械的に音読するのは絶対にNGです。折角のアウトプット学習がただの作業になってしまい、たとえ何百回音読を繰り返してもスピーキング力は上達しません。
瞬間英作文トレーニングの過程で英訳文自体を覚えてしまうこと自体は問題ではありません。ただし、覚えた英訳文をそのまま口に出すのではなく、日本語訳と覚えた英語表現を一つずつ紐つけながら英文を組み立てていく意識を持ってください。
日本文の内容をイメージとして思い浮かべる
瞬間英作文トレーニングを繰り返していくと、日本文を読んで適切な英語表現を脳内から取り出して英訳するスピードがどんどん速くなっていきます。しかし「日本語を英語に翻訳する」作業を続けている限り、どうしてもタイムラグが残ってしまいます。
そこでおすすめしたいのが、日本文の意味をイメージとして思い浮かべてから英語で表現する手法です。
イメージを英語で表現するプロセスに日本語は介在しません。以下の例では、「彼は彼の家族と一緒に買い物に行きます。」という18字の日本語訳ではなく、「家族で買い物をしている」というイメージを「He goes shopping with his family.」と直接英語に変換しています。
【日本文】彼は彼の家族と一緒に買い物に行きます。
【イメージ】

【英訳文】He goes shopping with his family.
慣れないうちは「日本文→イメージ→英訳文」と”イメージするプロセス”が追加されることでむしろ余計に時間がかかってしまうでしょう。しかし、トレーニングを継続していくと「日本文→イメージ」を無意識に脳内処理できるようになり、英語を英語で理解する感覚を体得できるようになります。
まとめ
本記事では、スピーキング学習初心者におすすめの瞬間英作文トレーニングの正しいやり方と学習効率を上げる5つのコツを紹介しました。
義務教育を受けた日本人の大半は、英会話で求められる基礎レベルの英語知識を既に備えているため、適切なアウトプット学習に取り組めば必ず英語を話せるようになります。
本記事で紹介した瞬間英作文トレーニングの正しいやり方を実践して、ビジネスの活躍の場を世界に広げましょう。
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